日本エスペランチスト囲碁協会
Japana Esperantista Go-Asocio
 
桜井 信夫 
Nobuo Sakurai
 
日本エスペランチスト囲碁協会は1979年に、囲碁を愛好するエスペランチストの団体として、また、エスペラントを介して碁を、碁を介してエスペラントを広めることを目的とした国際エスペランチスト囲碁連盟の母体として誕生しました。誕生のきっかけは、1978年6月に調布市で開かれた第27回関東エスペラント大会の前夜祭で試みられた囲碁・将棋の懇親会で、続いて、ブルガリヤのバルナの世界大会での、チェスの分科会で、囲碁に関し説明する機会が与えられ、エスペラント界に囲碁の団体を作ろうという機運が生まれ、最初は東京の有志、井上裕、江森巳之助、石黒彰彦、里吉重時、仁科進、大木克巳、桜井信夫、松本健一、それにドイツ人のウィルヘルム・シュミット等が、全国の同志に呼びかけて創設されました。
発足と同時に会の会報機関誌として、"Go-Amiko" を年4回、季刊として発行し、85号を数える現在まで続いています。また江森巳之助氏が、世界中のエスペランチストに囲碁を広めることを目的に、エスペラント語による囲碁の案内書 "Invito al Go-Ludo" と "Fundamento de Taktiko kaj Strategio en Go-Ludo" を書き上げ、発行しました。 "Invito al Go-Ludo" の方は残念ながら現在絶版です。(注:本ホームページに掲載中)
会員数は最初の呼びかけで30〜40名集まり、その後出入りはありましたが、現在も全体の会員数はほとんど変化ありません。会の活動としては、毎年1月に囲碁の総本山日本棋院での新年囲碁大会、春は八ヶ岳エスペラント館での囲碁合宿、また、毎月1回第4土曜日の午後、大崎囲碁教室で囲碁例会を行っています。こうした催しはどうしても東京中心になってしまい、地方の会員の参加が難しいのが問題です。
また、国際エスペランチスト囲碁連盟としては、世界中のエスペランチスト囲碁愛好者のために、13路盤による国際通信囲碁トーナメントを催しています。現在まで参加者は、日本、中国、ドイツなど10カ国ぐらいからですが、南米あたりからも問い合わせがありますので、今後、囲碁の普及と共に増えてゆくと思われます。
世界大会では国際エスペランチスト囲碁連盟による囲碁分科会が毎年行われ、初心者のための碁の遊び方の解説と実際に碁を打つデモンストレーションが行われます。また、日本大会では日本エスペランチスト囲碁協会が主催で、毎年分科会が持たれ、会の活動方針やデモンストレーションなどが行われます。今後の課題としては、囲碁術語のエスペラント訳の完成が急がれますが、これがなかなかたいへんな課題です。また、できれば囲碁定石や手筋など、エスペラント語による碁の技術に関する本も作りたい方針でいます。